下肢静脈瘤って何?

足が痛んだり、むくんだりする原因はいくつかありますが、

  • 足がだるい・痛い・むくむなどの症状
  • 血管がこぶ状に腫れて蛇行している

ようであれば「下肢静脈瘤」と思われます。

足の静脈には弁がついており、それが壊れると血液の逆流がおこり、静脈内に血液がたまってコブができるなどの症状があらわれます。

どんな人ができやすいの?

  • 性別:女性の方が頻度が高い
  • 年齢:加齢とともに増加。妊娠・出産がきっかけで発病することが多い
  • 仕事:立ち仕事の方に多く進行しやすい
  • 遺伝:家族に静脈瘤のある方に起こりやすい

検査方法はあるの?

視診・触診のあと、超音波・CTによるより詳しい検査を行います。
下肢静脈瘤は発症すると次第に症状は進行・悪化するため早めに検査をしましょう。

原因と治療法

静脈瘤の原因

足の血液は、足の運動により押し上げられ心臓に返っていきます。
そのとき重力により再び足へ戻らないように、足の静脈には一方通行の弁がついています。
しかし、長年の立ち仕事や出産などが原因でこの弁が動かなくなったり、壊れたりすることで血液が足に逆流します。静脈はいつも血液が充満した状態となり、このため血管が拡張や蛇行をするようになり静脈瘤になります。
下肢の静脈には深いところを走る「深部静脈」と皮膚表面近くを走る「表在静脈」がありますが、下肢静脈瘤の原因はその多くが「表在静脈」と言われる血管の逆流であり、くるぶしから足の内側を通りそけい部に至る「大伏在静脈」と、くるぶしの外側から膝の真裏に至る「小伏在静脈」がこれにあたります。

静脈瘤の原因

どんな人ができやすいの?

適度な圧力で足を圧迫する医療用のストッキングの着用や、拡張した静脈に硬化剤を注入して瘤をを消失させる硬化療法、伏在静脈の根部のみを手術的に結紮し、逆流を止める高位結紮報静脈を抜き取るストリッピング手術、今回ご紹介するレーザー治療など治療法はさまざまです。

検査方法はあるの?

低侵襲治療をサポートする
ELVeSレーザー1470&ラディアル2リングファイバー

下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術は、静脈弁不全を伴った伏在静脈内にレーザー光を照射し、収縮・閉塞させて静脈逆流を止めることを目的とする方法です。
ELVeSレーザー1470は、独自のELVeS Radial 2Ringテクノロジーによりさらなる低侵襲治療をサポートします。
レーザー光は血液中のヘモグロビンや血管壁の水分に吸収されると、数msec以内に熱化して組織温度が上昇します。波長1470nmレーザーは水に対する吸収係数が高く、810-1064nmと比較して約40倍となります。

県下初のレーザー治療

静脈瘤血管内レーザー治療

医療用機器ELVeS1470(エルベス)を使用し、超音波画像で確認しながら、静脈の中に細いカテーテルを挿入し、その中に直径約1ミリの光ファイバーを通して先端からレーザーを照射し、弁不全を起こしている伏在静脈を焼いて塞ぎ、血流が流れないようにします。治療時間は約30分程度。静脈を抜き取るストリッピング手術は全身麻酔をおこない、数日の入院が必要となることが多く、それに比べレーザー治療は局部麻酔で、日帰りで同等の効果が得られます。

また、針を挿すのみで治療でき、跡がほとんど残らないのも特徴です。術当日より日常生活が可能で、術翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後に外来にて診察を行います。
体の負担が少なく傷跡もほとんど残らないため、精神的・美容的な面でもメリットがある治療といえます。2011年よりレーザー治療認定施設での治療が保険適応になった新しい治療法です。
※症例によっては切開が必要な場合もあります。

Q&A

静脈瘤を放置するとどうなりますか?

足の筋肉がつる、いわゆる「こむらがえり」が起こりやすくなったり、症状が重くなると湿疹ができて痒みが起こったり、色素沈着・皮膚の硬化・潰瘍ができたりすることがあります。
また、内出血を起こしたり血栓ができて静脈炎を起こしたりもします。

レーザー治療は安全ですか?

安全な治療です。また、保険治療を行うにあたり厚生労働省より治療を行う医師にはレーザー機器の取り扱いとレーザー治療の講習が義務付けられています。当院の医師もこの講習を受けて認定されています。

日常生活はどうなりますか? 仕事はできますか?

家事や家庭内のことは手術当日からできます。事務系の仕事は翌日から復帰することはできますが、激しい肉体労働や長時間の立ち仕事の方は2~3日後から復帰されることをお勧めしています。

静脈をふさいでしまって大丈夫ですか?

大丈夫です。足の表面の静脈をふさいでも血液は他の細い血管を通り、足の深いところの血管に流れ込み、心臓へと流れます。