レーザーやラジオ波を使った血管治療

足のむくみも症状のサインです

 足の血液は足の運動によって押し上げられ心臓に返っていくのですが、重力によって再び戻らないように足の静脈には一方通行の便が付いています。

 この弁が動かなくなったり壊れたりすると、血液は逆流し、静脈内は常に血液が充満した状態になってしまうため、血管が拡張したり、こぶ状に腫れて蛇行するようになり、静脈瘤になります。
 下肢の静脈には深いところを走る「深部静脈」と、皮膚表面近くを走る「表在静脈」がありますが、下肢静脈瘤の原因は、その多くが表在静脈である伏在静脈の逆流です。
 症状としては、足がむくむ、だるい、重い、痛む、ほてるなどがあり、足の筋肉がつる「こむら返り」も起こりやすくなります。

 症状が重くなると湿疹ができたり、色素沈着、皮膚の硬化、潰瘍ができたりすることもあり、血栓ができて静脈炎を起こす場合もあります。
 同時に、静脈瘤は美容的な悩みの原因にもなります。

下肢静脈瘤は治療しないで放置すると
症状が徐々に悪化することがあります。

 

女性に起こりやすく遺伝しやすい

 実は割と起こりやすい病気で、“30歳以上の6割は、何らかの静脈瘤がある”とも言われていて、蜘蛛の巣状静脈瘤、網の目状静脈瘤、伏在静脈瘤などがあります。
 特に女性に多く、できやすいのは家族に静脈瘤がある方です。
 腹圧がかかる妊婦や出産をきっかけに発症する方も少なくありません。
 男性でも美容師や調理師など、立ち仕事や長い時間同じ姿勢でいることが多い方に起こりやすくなります。
 一度できてしまうと薬などで治る病気ではないので、年齢が上がると症状が進行するといえます。

 

レーザー・ラジオ波を症例に合わせて選択

 治療法としては、医療用の弾性ストッキングの着用や、拡張した動脈に硬化剤を注入してこぶを消失させる硬化療法、伏在静脈の根部のみを手術的に結紮して逆流を止める高位結紮術、そして今回ご紹介する、レーザーもしくはラジオ波を用いた血管内焼灼術などがあり、これらを組み合わせて行う場合もあります。
 以前から伏在静脈の処理には、その静脈自体を引き抜く「ストリッピング手術」が一般的でした。
 しかし、この治療法は腰椎麻酔や全身麻酔で行うため1週間程度の入院が必要で、足の付け根や膝に2~3センチの術跡が残ってしまいます。
 当院では平成23年12月より県内で初めてレーザーを導入しました。
 超音波画像で確認しながら弁不全を伴った伏在静脈に細いカテーテルを挿入し、血管内からレーザーを照射して焼いてふさぎ、血液が流れないようにします。
 合併症の発生を少しでも減らすため、平成28年7月からは新たにラジオ波も導入しました。
 個々の症例に合わせて機種を選択し、すでに1000例以上の血管内焼灼術を行ってきました。
 現在ではこれらを第1選択としています。


 施術時間は30分程度です。
 局所麻酔で行うため体への負担も軽減され、日帰りでの治療が可能になりました。
 血管内治療なら出血もほとんどないため、心臓病などで血液をサラサラにする薬を飲んでいる方も、治療が可能です。
 また、通常は1カ所から針を挿して行うので傷がほとんど残りません。
 精神的な面でも美容的な面でもメリットが多く、保険適用のある治療法です。
 保険診療をするための施設基準(常勤の医師が規定された専門医を有する施設)・実施医資格も取得しています。

高周波アブレーション(ラジオ波)

下肢静脈瘤の手術には、血管をしばる「高位結紮術(こういけっさつじゅつ)」と、血管を引き抜く「ストリッピング手術」もありますが、当院では、高周波アブレーションカテーテルによる下肢静脈瘤治療を第一選択としています。

ELVeS1470nm下肢静脈瘤治療用レーザー

下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術は、静脈弁不全を伴った伏在静脈内にレーザー光を照射し、収縮・閉塞させて静脈逆流を止めることを目的とする方法です。
ELVeSレーザー1470は、独自のELVeS Radial 2Ringテクノロジーによりさらなる低侵襲治療をサポートします。
レーザー光は血液中のヘモグロビンや血管壁の水分に吸収されると、数msec以内に熱化して組織温度が上昇します。波長1470nmレーザーは水に対する吸収係数が高く、810-1064nmと比較して約40倍となります。

 

 

治療時間は片足20分~30分程度で「日帰り※」による手術が可能です。
※医師の診断によります。

傷跡はカテーテルを挿入するための小さな開口部のみです。

下肢静脈瘤の治療としてアメリカで多く実施されている治療法の一つです。

※結果には個人差があります。

 

県下初のレーザー治療

 

Q&A

静脈瘤を放置するとどうなりますか?

足の筋肉がつる、いわゆる「こむらがえり」が起こりやすくなったり、症状が重くなると湿疹ができて痒みが起こったり、色素沈着・皮膚の硬化・潰瘍ができたりすることがあります。
また、内出血を起こしたり血栓ができて静脈炎を起こしたりもします。

血管内(レーザー・ラジオ波)治療は安全ですか?

安全な治療です。また、保険治療を行うにあたり厚生労働省より治療を行う医師にはレーザー機器の取り扱いとレーザー治療の講習が義務付けられています。当院の医師もこの講習を受けて認定されています。

日常生活はどうなりますか? 仕事はできますか?

家事や家庭内のことは手術当日からできます。事務系の仕事は翌日から復帰することはできますが、激しい肉体労働や長時間の立ち仕事の方は2~3日後から復帰されることをお勧めしています。

静脈をふさいでしまって大丈夫ですか?

大丈夫です。足の表面の静脈をふさいでも血液は他の細い血管を通り、足の深いところの血管に流れ込み、心臓へと流れます。

 

専門外来を設置

 県内では初となる下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術を実施、「久保田クリニック」の2階には、「下肢静脈瘤センター」を設置し、同階に入院施設も完備しています。
 実際に手術を行うのは「久保田クリニック」ですが、JR別府駅そばの「別府トキハクリニック」でも診察が可能です。
 19時まで対応でき、電話やWEB予約も可能ですので、気になる症状のある方はご来院ください。
 まずは視診・触診、その後エコーやCTによる詳しい検査を行い、治療方法を決めていきます。
 静脈瘤は症状があっても放置されることが多く、新しい治療法もあまり知られていないのが現実です。
 当院では毎年県内でセミナーを行い、症状や治療法についてのほか、希望者には無料の相談会も行っています。

 

治療跡は目立たず、日帰り可能

 女性に多いため、傷跡も気になるところ。血管内焼灼術は通常1カ所から針を挿すだけなので、治療の後はほとんど目立ちません。
 局部麻酔で行うため術後すぐ歩け、日帰り手術が可能。
 当日から家事など日常生活ができ、数日で仕事に復帰できます。

 

高齢者にも優しい治療

 高齢になると足の筋肉が弱ってくるため、下肢静脈瘤によるむくみや疼痛、こむら返りなど下肢のうっ滞症状が強くなり、足の痛みや歩行障害などを引き起こす原因にもなりかねます。
 治療を受けるとその症状は劇的に改善されます。
 血管内焼灼術は、術後の痛みが少なくリハビリも不要で、早く日常生活に戻れ、高齢者こそ必要な治療とも言えます。